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閉ざされた疑心に、 目を瞑るあなたよ、 夜桜に落ちゆくあの記憶らも、 戻らない。 沈みゆく星空、 夢見る破落戸。 掬われた月夜を前に、 情けなど無いと言いますか? 歪みゆく闇夜に、 祓う言葉など在らず。 見えやしないのだろうから、 願う事を辞めたの。 忌み嫌うのならば、 殺してしまえばいい。 許されざるその言葉は、 もう戻せはしないのだから。 歪みゆく闇夜に、 祓う言葉など在らず。 見えることなど無いのでしょう? 全て月夜の所為です。 架けた瓦礫の中、 泣き喚いて願うだけ。 逃げることは出来ないので、 諦めて死にましょう。 欝がれた退路は、 嘘に満ちて、 映っている。 最後に目に映るモノは、 何もありやしません。 月夜に照らされて、 死を前に焦るだけ。 逃げることなど出来ないのです。 全て月夜の所為です。