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光りだした結晶の、 側面を叩き割り、 不可思議な色彩に身を浸し、 時をも忘れて溺れたのちに、 四方に飛び散った欠片から、 記憶を呼び起こすのです。 靄のかかった部屋の中、 視界を濡らして、 零れ落ちた液体で、 枯れた喉を潤した。 虚構で塗られた記録には、 突如、事実が映る。 紛い物に残されたのは、 価値の無い羅列でした。 蔓延る憤慨の声、 怨嗟へと変わり、 纏わり憑くので気味悪く、 それなのに自らを省みず。 毒が意図せず溢れ出て、 思うまま吐き出したよ。 でまかせのパズルでは、 凹凸も不整。 水面で投じる一石は、 互いに目を逸らすのです。 紛い物に残されたのは、 無意味かつ無価値なモノ。 如実に現れた虚構は、 全て自惚れの所為です。 紛い物に残されたのは、 無価値かつ無意味なモノ。 如実に現れた虚構は、 全て▇▇▇の所為です。