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君が待ち望んでいた終末が、 一つ夢に混じっていく。 忘れられない真実が、 二つ影に残っていく。 私が恋い焦がれた邂逅が、 三つ忘れ去られていく。 それでも君一人だけ、 微かな思い出を、 零から作り出した。 幸せのピアノの音色が響いていた。 君が見た、在りし日の思い出を、 大切にして、結んでいこう。 私が得た、その体温は、 死んでも忘れないよ。 君が見た輝いた真実が、 一つ空から落ちてくる。 見えやしない偽の言葉が、 二つ地に生えてくる。 僕が待ち焦がれた天望を、 三つ手に残していく。 それでも君一人だけ、 微かな思い出を、 零から記録していた。 へたっぴなリコーダーが響く部屋の中、 君が見た、幸せの欠片を、 大切にして、紡いでいこう。 僕が得た、この右の手は、 死ぬまで離さないよ。 きっと、この記憶は、 一等星のように、光り輝くでしょう。 それでも、いつか、 命途切れる時、輝き、散るのでしょう。