堕とした見栄すらも失せ、 願いは空の奥に届きて。 街路佇む君の下へ、 いたずらに足を運ぶのでした。 蟠る不可視な糸が、 祟りの一つで綻びました。 静かな雅は途絶えて、 夜風吹かす屍と化してた。 何気ない時を騙る手記に、 書き留められた一つの孤影。 泥んでいても、 いつかは来る。 出鱈目な異界の歌。 墓場にうめた筈の嘘で、 ぐさり、突き刺しました。 言葉を誤り崩れたのは、 忘れられぬ記憶でした。 戯れた崇拝者が、 脊髄の端を川に流し、 墓石が壊れるのは、 動揺の所為だと嗤いました。 奪われ続け手持ち無沙汰の、 沈む夕日は変らずに在る。 手詰まりでした。 為す術も成く、 飲み込んだ不思議な水。 墓場にうめた筈の嘘で、 ぐさり、突き刺しました。 言葉を誤り崩れたのは、 忘れられぬ記憶でした。 咳唾珠を成せば悲壮です、 数値化された虚は実を引く。 応えを求む、そこにいるなら。 錆びついた鏡を見た。 墓場にうめた筈の嘘で、 ぐさり、突き刺しました。 言葉を誤り崩れたのは、 忘れられぬ記憶でした。 墓場を出て突き進むと、 ぽろりと涙が出ました。 わたしの背中を押していたのは、 残された言霊でした。 天地が反転をした。 炎は光を出さず。 もし時が戻るとしても、 戻ろうとは思わないよ。 前を向いて生きるから。