赤い靄が立ち込めて、 空は暮れていて、 別れ際鳴る鈴が、 愁いを喚び起こす。 不確かな姿が見え、 行方は知り得ず、 街灯と信号が明滅していた。 静まり返る小部屋、 付かないライト、 手慰みに転がす賽、 寂寞に包まれた、 日陰者を呼ぶのです。 壊れた声と軋む心臓、 紫色のコンセント、 ネガの街で鳴く鵲、 頭を抱えて嘆くのです。 寝所に倒れ臥して、 空は暮れていて、 喚いたニクトフォビア、 愁いは掻き消せず。 洗われた箱の中で灰から灰へと、 自意識は遠のいて、 ただ蹲るのです。 焚いた葦火を眺め、 目を背けずに、 痛ましい姿になれど 無意味に沈められた、 日陰者を呼ぶのです。 途絶えた線路、 融ける祈り、 薄灰色の小糠雨、 黄昏を写したフィルム、 頭を抱えて呻くのです。 焚いた葦火を眺め、 目を背けずに、 痛ましい姿になれど 無意味に沈められた、 日陰者を呼ぶのです。 壊れた声と軋む心臓、 紫色のコンセント、 ネガの街で鳴く鵲、 途絶えた線路、 融ける祈り、 薄灰色の小糠雨、 黄昏を写したフィルム、 頭を抱えて枯れるのです。