: 1957
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確かめたことが無くて、 虚を目で追いかける、 と こ しえは影を消し、 有耶無耶になっていく。 銃声は音を立てて、 色をかき消すようで、 穴開きの声色は、 星を見るのでしょうか。 そ こ の空虚の四肢を、 掬い続ける。 枯れた郷愁、揺曳した、 きっと、弱気の所為でしょう。 それは目 に 見えぬもので、 這 い よるものでもあり、 眼に映 る 色は、 バラバラになっていく。 錆びたビル、 焼けた野原、 黒い海、 焦げた空、 記憶にも残らない、 あやふやな白い影。 何処を見つめているのか な 、 流れ星も去った、 何に縋っているの か な、 悒々しちゃう な 。 そこの空虚の四肢を、 掬 い 続ける。 枯れた郷愁、揺曳した、 だれか、いるの? 見つめるメタフィジクス、 息をひそめて、 実在を忘れ続け、 何も言わずいる。 掛かる水の雫が、 輝きを増す、 砂の中にある思いの丈、 その中に込められた、 ひみつ。 いつかに見せた海を、 掬い続ける。 浜辺に靡く白い影は、 何を奏 で ている? そこの空虚の四肢を、 掬い続けられずに、 ただ残滓が残っていた、 全て弱気の所為です。