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街灯下の影が、 誰かを待つように雨宿り。 一人唄う鼻歌が、 旅人たちを引き寄せていました。 隠し事は仮面の裏に、 素顔は決して明かさぬように、 見透かす青い袖口が、 そっと唇を指で塞ぐ。 薄明かりが照らすだけの空間と、 ノイズにも思える風。 夜も帳を下ろしたなら、 歌声をどうか止めないで。 二面性は表裏一体で、 いつもあなたは見えていたんでしょう? 嘘をつくのは下手だからごめんね、 本当は寂しがりのくせに。 どこかで聴いた旋律を、 白黒の物語に乗せて、 止まない雨と、明けない夜。