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古びた絵本を、 手に取り覗いて、 透明な何かに、 引き込まれ動けずにいたので、 身体が浮かびだし、 戻れなくなりました。 歪んだ四肢を見て、 引き摺り回していたら、 その首を掴まれ、 散らけてしまいました。 さざめく驟雨に目を覚まし、 折れた骨を抱え、 窓の外で眺めたモノは、 いつの間にか消えました。 奏でた歌声を、 思い出せなくて、 透明な何かが、 こちらに語り掛けてきたので、 紡いだシナプスが、 千切れてしまいました。 捕らえた逃げ水を、 飲み込もうとしていたら、 あまりに苦すぎて、 倒れてしまいました。 さざめく驟雨に目を覚まし、 折れた骨を抱え、 窓の外で眺めたモノは、 全て夢の様でした。 さざめく驟雨に目を覚まし、 折れた骨を抱え、 窓の外で眺めたモノは、 全て▇▇の様でした。 犇く愚者達を、 追い続けたのか。