夕焼けがいやに耳障り 桃のお守り 咥えてみた なんとなく、 猫と焼き芋の香りがした 黄昏を笑った 漂白満月は 充血した嘘を吐いて 泥まみれで唄うの 縹は宛ら涙 貴方は去った 肩の華 西に沈みゆく午後の鐘 息の吸い方 思い出した 朧気に 忘れゆくのはいのちの名前 陽炎を妬んだ イカロスの翼は 雲に落ちた蛾の羽を 見境なく貪る 曰く無数の奇が 木霊するのでしょう 夢の猫と欠伸をする 視界がかすんでいく 幾度望んだ色 塗りつぶされた白 遥か遠い雨の音も 今なら愛せるかな 名の無い薄明に 寂寥の恋文 息を止めた 手を繋いだ 今わたしは一つだ!