辿り歩いた靴跡は、 やがて掠れて消えた。 人知れず滑り落ち弾かれた、 余り物に漏らした戯れ事と、 ノイズに混ざりこむ警告を、 無下にしてわらうのです。 消えぬガス灯が投射した、 翳に絵空事を重ねては、 混ざりだす絵具の境目で、 足踏みを続けました。 内側のみえない木馬から、 自動的に布石が打ち込まれ、 賢しく身をさらう東風の折、 冷めた炉に沈んでいた、 戻れなくて。 遡行の果てに個は廃れ、 統べる術さえ忘れ、 濡れた衣で手を温めつつ、 いずれ誠に換わる妄言が、 砂上に描きだす迷い児は、 網膜の海の底へ。 天頂に吊るした楼閣の、 滴り水を追う手は白く、 引き摺る脚を労わる口が、 夜凪を待ち続けていた。 賢しく身をさらう東風の折、 自動的に布石が打ち込まれ、 雨に艷めく回転木馬が、 全て掟の所為です。 戻せなくて。 幾度その袖を引き留めど、 快い音は滲み 霞み、 鈍く彼誰刻に響く。 指折り数ふだけの時を経て。 征く末を指し示す靴跡に、 自動的に布石が打ち込まれ、 <!>の回転木馬が、 全て▪の所為です。 病めず 止まぬ声は、 童の戯れに他ならず。