: 1920
三味線の言の葉の中、垣間見る淫乱さ。 金木犀の思い出は、とっくのとうに別離した。 此の世の理に及ず、室外機の粉末。 ミルラの様に見えました、わたしの記憶で。 スピーカーの彼と、みんなの辛辣さ、 浮ぶ幽霊と、時計の暗さ。 二連方程式とガラス玉は、 書類をばら撒き爆ぜました。 わたしは知っていました、あなたはどうですか? パイロンと標識の奥、 穴は見えますか? 黄金比に憧れ、海岸沿いに立ちつ。 冬毛の靡く箱庭の、理解と虚しい人形。 只の感覚神経が、伝える少女の声。 孤独の余韻に浸って、彼らが蠢き。 死に物狂いの地、命のプラズマが、 大人の仮説を、欺き白み。 モノクロテレビのいのちは沈下し、 9×4=36が死んでた。 わたしは知っていました、あなたはどうですか? パイロンと標識の奥、 穴は見えますか? 真似事と私利私欲の蛍。 カレンダーの租借は狂いて、 神棚の虫眼鏡が、 佇む事象。 わたしは知っていました、あなたはどうですか? パイロンと標識の奥、 穴は見えますか? わたしは知っていました、あなたはどうですか? パイロンと標識の奥、 穴は見えますか? あなたは知ってた。