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線路に沿った四辺形、ニクロム線が狂い。 ねじれの位置のドアノブが、等しくないと嘆き出す。 バス停を首に吊るした、古ぼけた注射液。 冷却器の上から見つめ、 暦を引き裂く。 ガンマ線の匂い、 それが逃げる苦さ。 土踏まずだけが、そこに届かず。 減数分裂とシャープペンシルが、 電池で扉を割りました。 名を騙り続けたのは、 便箋とブイですか? 和同開珎の涙は、 幻だったのですか? 朽ちる標識を叩く、見当違いの偏西風。 傀儡となったフラスコが、少な過ぎると嘆き出す。 苦痛の化合物が、極夜を名乗るのなら。 毛糸達が浮き上がって、 食い違った唄。 木偶人形が縋る、 シアン化物の星。 水が朝を汲み、井戸が堕ちていく。 オシロスコープは室外機を取り、 √24の呪縛です。 名を騙り続けたのは、 便箋とブイですか? 和同開珎の涙は、 幻だったのですか? 消え去ったモノは、食い破られ。 それを察しても、既に遅く。 無理数の公式達は、 斯く語りき。 名を騙り続けたのは、 便箋とブイですか? 和同開珎の涙は、 幻だったのですか? あなたを傷つけたのは、 私とエヌでした。 和同開珎が溶けていた、 誰の所為なのですか? 何も解らず儘。