暁降(あかときくた)ち、 針(はる)持ち露に濡れなむ。 誰(た)触れなな歴草(そほき)濡らそ。 著(いちしろ)し徴(しるまし)、 天陰(ひし)く空ゆ 日な急病(あたゆまひ)。 永遠(とことわ)恋な 往にし方秀(ほ)つ方の 背肉空国(そししむなくに)、 江湖を度(わた)る身なろ。 夢路(いめじ)の荊(うまら)、 薄氷(うすらひ)、夜の程ろ 露に濡れ草枕(くたまくら)。 鹿島立ち。 あの背の其乃向こう。 響(ゆら)叢らばしか火、 唄音(うたね)ゆ瀬鎖す 浮漂(なづさ)ひ、片掛く、言寄さす 盟神探湯(くかたち)為(せ)す 。 永遠(とことわ)恋な 往にし方秀(ほ)つ方の 背肉空国(そししむなくに)、 江湖を度(わた)る身なろ。 夢路(いめじ)の荊(うまら)、 薄氷(うすらひ)、夜の程ろ 露に濡れ草枕(くたまくら)。 鹿島立ち。 あの背の其乃向こう。