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ノートに書き記した、 光を透かした。 生ずるバス停は曖昧で、 消えゆく信号と綯い交ぜに。 果てにあるべき時計と、 教科書は迷子。 留守番をしていた丑三つ時、 瞼を閉じてみたけど。 扉は開かず、 鳴かず飛ばずの烏。 静寂の空に飛び込んで、 目を開けたら消えていた。 外套は歪んでいるけど、 私はベータですか? 泣いていたのは誰ですか、 全て電波の所為です。 掬ばれた水の上、 未来を溶かした。 想像が阻害する靴の中、 見えない形代は誂えに。 化けたまま辟易した、 走馬灯の中。 待ち惚けしていた逢魔が時、 月に手を伸ばしたけど、 猿は溺れる、 矯めつ眇めつ眺める。 軋む深更切り裂いて、 目を開けたら泣いていた。 街灯は歪んでいるけど、 あなたはベータですか? 泣いていたのは何故ですか、 全て宵闇の所為です。 嵩んだ筆箱と、 意味のない標識。 浅慮だけがいない街と、 多々ある排気口。 逃げ出した定規は、 渙然氷釈の定めでしょうか? 外套は歪んでいるけど、 私はベータですか? 泣いていたのは誰ですか、 全て電波の所為です。 街灯は歪んでいるけど、 あなたはベータですか? 泣いていたのは何故ですか、 全て宵闇の所為です。 何時か忘れて仕舞うのでしょう。