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目に見えぬ愚者の戯言、 私には届きやしません。 揶揄する意味を持たぬものは、 死して罪を償うのだ。 あなたが見たあの日の事は、 もう二度と戻らないと謳われた。 虧月と月夜は混ざり、 街は赤く染まった。 帰する言の葉、 消えた記憶の中でさ、 泣いて、泣いて、また泣いて、 消えることに身を任す。 繰り返される意味持たぬモノ、 期した懺悔の音に身を呈す。 あなたの所為だとただ歌うのならば、 死に至るでしょう。 もう戻れないのです。 影はもう見てはくれない、 私を許してはくれない。 消えゆく 悲しみの錘に、 死すら意味を持たぬ儘で、 苦しみ 只藻掻き続けた、 あの日をまた忘れてしまう様に。 奇怪な音を鳴らして、 死を待つだけなのです。 繰り返される意味持たぬモノ、 期した懺悔の音に身を呈す。 赤く染められた記憶の奥底で、 あなたを待った。 もう戻れないのです。