割れた硝子の向こう側、 脚の無い自分が立っていた。 認めたくないその事実、 無常に體を切り裂いた。 私の還るべき場所は、 薄暗いあの山の隅の樹の下、 誰も来ない墓の下で。 キミの跫を待ち侘びています。 寂しさで躯が浮いてしまいそう。 此乃體に刺さった、 破片を抜き取り参います。 逖くに視える陽炎が、 薄氷の夕暮れを喚ひ熾す。 彼方に消えた翳を、 追いかけて光の余韻で、 私は軈て可視光線になるの。 未だ誰の目にも留まらぬ、 此乃空虚、存在。 ふわふわり、蒼穹を飛んだら。 御星様に為らずに幽霊になるんだよ。 是で又。 キミと憑き合えるのです。 冷たくて燃える氷の其乃體、 其処に天国などは有りませんでした。 全て幽霊の所為です。