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月は赤く染まった。 意味をもてぬ儘に鳴いてさ。 在らぬ誤解を招いて、 壊れゆく此の世の哀憐に。 夜が開けるまで、狂いましょう。 誰かに押し付け合って、 貴方の碑はとうに廃れる。 死に急ぐこと勿れ。 奏歌の音は、 世に響き壊れてく。 灯りも消えて、目が眩み出す。 壊れてく日々は浅ましく叫ぶのだ、 君の所為だと言い、 ただ戻らぬ声を聞きました。 許せば良かったでしょう。 あの日のこと、もう泣いてくれない。 赤く染められたこの街で、 終わりを見届けましょう。 街は崩れていって、 数多の叫びが聞こえていた。 死を願うあの日の声、 忘れてしまえばいいのですか? 変わりやしない、 決まったことも、もう戻れやしないこと! 悲しみに暮れる時間もない、 貴方を怨みました。 遣らずの雨の中、 最後とは知らぬ儘、 涙も出ずにただ怖がって、 此の世が終わるのをただ見てるのですか? 苦しみ悶えては、 哀れと嘆く月夜に沈む。 願えば許されるか? あの日のこと、罪は流れ落ちてく、 最後に聞こえるこの言葉、 「全てあなたの所為です。」 願うのは、僥倖なのか、あなたの所為なのか? 青い月夜に照らされ、殺されるのでしょうか? 消えてく、この記憶は、 戻せなくて、涙を流しました。 期した懺悔に身を呈した。 もう戻れないのです。 貴方と描いたもの、 探したもの、もう消えてなくなった。 数多の声はとうに消えた。 全てあなたの所為です。 全て月夜の所為です。