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襖の開いた角に、蕩けた割鏡 照らされた暗がりが、覗いていました。 木が蕩けている、流れ着いた いかだの木目に、なぞられる。 ふゆもうみへ おぼれそうで それが ここちよくて 寒い夜のまち ウミガメは 声を上げて あさやけと ゆうやけは 無く あおがつづいた。 眼を閉じても、眠れず 木の葉は腐り落ち、 どろりと襲われ、視界は不意にぼやけた。 草臥れたまちの中、 鯨は黄昏る。 視界の端に視える、 影を追ってみた。 すたれた じんじゃの とりい くぐる 眩いひかりに 諭される。 しものうみへ おぼれそうで それが ここちよくて 寒い夜のまち ウミガメは 声を上げて あさやけと ゆうやけは 無く あおがつづいた。 眼を閉じても、眠れず 木の葉は腐り落ち、 どろりと襲われ、視界は不意にぼやけた。 寒い夜のまち ウミガメは 声を上げて あさやけと ゆうやけは 無く あおがつづいた。 眼を閉じても、眠れず 木の葉は腐り落ち、 どろりと襲われ、視界は不意にぼやけた。