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影を弔うあなたを、走馬灯で見ていた、 風に流れる海馬の中にある、寂寞一つ。 満ちることの無い往年に、身を委ねる儘でも、 その音がただ在るだけで、枷を殺せるはずだった。 枯れた葉が地を肥やしても、芽が覆われてしまい、 幾千の先人は唯、拒むだけなのでした。 あなたは誰ですか、わたしは誰なのですか、 ギザ十の泣いていた、貌すらも美しくて。 人で在らぬことは楽で、何も見えないことも楽で、 脇腹に空いた大穴に、気づかぬまま萎びる。
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影を弔うあなたを、走馬灯で見ていた、 風に流れる海馬の中にある、寂寞一つ。 満ちることの無い往年に、身を委ねる儘でも、 その音がただ在るだけで、枷を殺せるはずだった。 枯れた葉が地を肥やしても、芽が覆われてしまい、 幾千の先人は唯、拒むだけなのでした。 あなたは誰ですか、わたしは誰なのですか、 ギザ十の泣いていた、貌すらも美しくて。 人で在らぬことは楽で、何も見えないことも楽で、 脇腹に空いた大穴に、気づかぬまま萎びる。