雫が乗れていた、窓辺の憂鬱で。 承認欲求を膨らませば、此処まで惨く錆びるのですか。 ナルシシズムに、溺れる者は藁をも。 憾みと拒否反応が、心を侵すでしょう。 ただの飾りでしかない、銀色の翅を揺らすヒトダマの。 為り損ないが一人、泣いていた。 為り損ないは、殺された。 あの時、妙に傷ついた。 形は、在るけれど。 再現困難の愛は、容易く奪われたのでしょう。 破綻した旋律も、無邪気に笑われ。 すると、無個性だけが残るのでしょう。 麝香の色合いを、思い出す度。 不審な熱源と陋劣さは、無礙には出来ないのです。 枯死の先へと、辿り着き旬が過ぎて。 妬んで妬んで妬み続ける、無意識に。 冒涜的な手段で、羨望と罵りを向けていました。 遠くから見ていれば、美しくて。 近くで見ると、醜くて。 あの時、妙に傷ついた。 嫌われ者は、嫌だ。 追いかけて続けて、狂わされて。 本当に、よかったです。 いつか、また会えるよね。 そう、聞いています。 奇怪で歪な模りさえも、 可愛いくて。 嗚呼、問題が悪かったようです。 それは、間違いでした。 誰かが見つけてくれるまで、物陰で隠れてるね。 誰も、見つけてくれないだろうけど。 白鳥の歌は、繰り返す。 そこに在ったはずの、形も失った。 再現困難の愛も、それこそが魅力なのでしょう。 破綻した旋律も、無邪気に笑えば。 一つだけの個性となるのでしょう。 あの時、妙に傷ついた。 形や、影さえも。 満足げに消えていった。 破綻した旋律も、 無駄にはならなかったね。 ヒトダマは、溶けていった。 本当は、悔しかった。