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牆壁に靠(たお)れ込み、慟哭していた。 モノを見る事の出来ぬ彼等は、無意味な破壊を繰り返している。 悲痛の前に、這い蹲るなら。 憤りと無惨さが、話しかけるでしょう。 それを嫌い、それを消し去る 愚者たちが見た モノは捕らえられた。 モノは溶かされていった。 形が不明瞭の、 [どろりとして醜い] 美しい作品が、 [液状のカイブツから] こちらを向き、助けを求めた。 [みんなを守るんだ] 幽けき聲が届く前に、 [被害が及ぶ前に] 息が絶えた。 [除去しなければと] 一つも意味などないのでしょう。 [全てみんなを守る為] 空を揺蕩う声は、とても不気味で。 <☐(わたし)の聲を聞いてよ。> ものを聞くことの出来ないそれらは、我らの糧を蠹害し続けている。 <仕方のないことだ。> <許してくれよ。> [あなたが此処に] 隧道の先、 [来てしまったから] 心を惹かれて。 [危険な反応を起こして] 長い長い道、体は痛むけれど。 [しまったでしょう?] [それに惑い] [それに従う] [あなたは今も] [助けを乞うていますか] [悩み続けていますか] [行方は解らないですが] 安心してください。 [苦しみ続けている者が] 私達は無事ですからね。 [居る事を] なんとか上手くやっているからね。 [理解して下さい] 私は昔から此処に住んでいたのですよ。 [残念ですが] [あなたは此処から] [二度と] [脱出] [すること] [は無いでしょう。] 何を言っているのですか? [二度と戻りは] [しないでしょう。] もう二度と。 嗚呼、困難を極める事が予測されます。 鍵をお教えしましょう。 特殊な OH KS EGI(にゅうりょくほう) を用います。 それでは何時か、何処かで。 また会いましょう。 形が不明瞭の、 美しい作品が、 こちらを向き、助けを求めた。 [とても醜かったんだ] 幽けき聲が届く前に、 [被害が及ぶ前に] 息が絶えた。 [除去しなければと] 一つも意味などないのでしょう。 [全てを壊される前に] 何が起きたのでしょう? 大きな衝撃があり、 全てが変わったんだ。 幽けき聲すらも出せずに、 崩れ落ちた。 モノは融かされていった。 二度と戻りはしないだろう。