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夜の帳下ろし、 寄ると止まる灯火から、 寄る瓮の水のお目溢し、 鳴き響む音はいつの声。 今更に届いたが、 いささ小笹、歌沙汰、 夢更更探されず、 漣さざめく、その川原。 さはれ、鵲の橋さえ、 遮られた、浅茅の縄。 ささらおと鳥、 可惜夜先立ちて、 さらばえて、ささほうさ。 定定逆らう、 ささがねの蜘蛛の振る舞い。 明月地に堕ちて、 白日は度を失って、 白紙の波止場、凪ぎ渡り、 生は奇なり、浮烏。 白波の夜夜を、 知らないと旅夢の余流。 星合をまほしがれば、 雨夜の星も雨宿り。 哀れ、洗われ、雲を当て、 曇霞、掠め愁う。 曇夜、 知られで下延したため、 水下経、 白魚の篝も、 霞まずに星迎えを、 心待ち。 淡島、敷島も、 終いには逆しまの星回りで、 あからしまかぜの節回しは、 あなたに向けて。 十四年の夜を越えて、 全て電波の所為です。