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あーどこかこのまちはいつかさびついて だれもいなくなってしまいました ただあるのはさびいろにそまった まちとしろくつもるゆきだけです ゆきのなかからくらげがはえてきて まちにしゅうまつをかんげいしてる ただしろいとうめいなかさに ゆきがただつもるだけでいました いままでのさわぎはしずまりかえり このみちもいつからこおりついて あさもひるもきえてはなくなり まっくらなよるしかみえなくなって おともあかりもいまはきえてて ゆきがしんしんとふっているだけ まるでわすれもののように わたしはただそこにいるだけです だれかがさわいだこえも いまではただのおもいでばなしで あのころなぜかたのしくて そしてかんちがいでさわがれて いつのひかわすれられて そしてだれもいなくなって だれもいないこのさびたまちで ただただゆきがふっているだけです あのころはみちゆくひとに おしえてたはずのきごうはいつか ほんらいのいみをわすれ おそれられていたのかもしれないと いまではもうどうでもよくて そしていつかわすれよと だれもいないこのさびたまちで ただただかんがえていただけです だれもいないこのまちも くらげといっしょにながめていたら よるがあけてまっしろな ひかりがきらきらとかがやいてた ひにくなことにきれいで とてもうつくしいせかいで だれもいないこのさびたまちで わたしはすこしねむってみようかな