: 11319
: 328
濁らせ墜ちる白、 声を溶かし弾む玉響が、 「あしたまたね」とか、 言えたのなら、 お別れか。 どろりと地面に落ち、 「もう嫌だ」と歪む言霊が、 壊れたモノは、 戻らないよ、 また明日。 哀惜に濁る視界は、 霞む僕ら、 滲む世界。 涙墜ちて、 何時までも鳴り続ける音は 紡がれてく。 「サヨナラ」だけだった、 雨の中で朽ちるココロとか、 鏡に映る、 詭弁の中、 終るのか。 魔が差した罅の内、 夜の向こう揺らぐ息の音、 花弁が舞う、 気が遠のく、 お別れか。 四辺の中に、 嗚呼 肥大化した 二粒の、 灯が揺らいでいる、 何処か絞める色。 玉響に、 揺らぐ世界が差し込まれた、 間違いを正せぬまま。 身体を穿つ其の轍の中、 弾んでいた。 後戻り 出来ないほどに抉られていく、 廻る視界 残酷に 愛せぬことも抱きかかえている、 隠している。 二つの形が、 ユラユラと重ねても、 ボタリと落ちた白い水が、 音をも焦がす。 未だ道半ば。 荒む世界は時が過ぎて、 過去に消える玉響に。 聴こえる音は世を涸らしている、 忘れないで。 入るな 殺すぞ