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歩いてく、形すら無い地を、 虚しさと闇の帳の下。 未だ歩いてく、そこに光あれと、 今日明日の境目も無い儘。 曇り、降り、湿り、 ペトリコールの匂い、 落ちる雨の音。 果てしない暗澹に、 迷い込んでしまいました。 小夜に打ち時雨れて浮寝鳥は、 水底に沈む夢を見た。 終わりを迎え、 傘を差せない頬は濡れてゆく、 韜晦は出来ない儘だった。 木漏れ日で、秘密は死を覗く。 今はもう足掻いてしまうのに。 まだ星は見えず、雲間を探しても、 風霜だけが傍に寄り添う。 空いた儘で満たされないの、 隙間風 足を取られて、 廻る世界に追いつけないんだよ。 葦が時雨の化を得る日は、 来るのでしょうか? 何も成し遂げずに白昼夢に耽っては、 「これじゃダメだ」と口だけ。 小夜に打ち時雨れて浮寝鳥は、 水底に沈む夢を見た。 終わりを迎え、 傘を差せない頬は濡れてゆく、 韜晦は出来ない儘だった。 小夜に打ち時雨れて浮寝鳥は、 水底に沈む夢を見た。 傘を差せない頬は濡れてゆく。 小夜に打ち時雨れて浮寝鳥は、 水底に沈む夢を見た。 終わりを迎え、 傘を差せない頬は濡れてゆく、 気が付けば夜が明けていたんだ。