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誰もいない筈の部屋で、 誰かに見られてる。 得体の知れない感情に、 ドアを阻まれて。 誰もいない筈の部屋で、 誰かに聞かれてる。 誰にも言えない秘密すら、 全て知られてる。 一時的な流行に、 中身などは無く、 それはテレメトリ信号が、 残した意思でした。 何も見えない暗闇の中、 声を枯らして叫ぶだけ。 歪んだ音だけが反響し、 秩序の崩壊を告げる。 誰もいない筈の部屋に、 誰かがそこにいる。 形を持たぬ影の群れが、 僕を取り囲む。 誰もいない筈の部屋で、 誰かの声を聞く。 敵か味方かも分からずに、 耳に囁いた。 無に等しい責任を、 押し付け合うだけ、 それはテレメトリ信号が、 残せぬ意思でした。 何も見えない深海の底、 腕の無いまま藻掻けども、 光も届かぬこの場所では、 全てが無駄に終わるだけ。