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薄暗い檻に閉じ込められ、 消えた摩天楼の人。 仄暗い信号に隠された、 刹那に微睡む物語。 くらくら堕つ月の影を見てる、 あなたの後ろの現世の光。 遠く靡いた風に揺られて、 無限を祈っていた。 遠く綴った白紙の絵本、 いつの間に消えていた。 青白い檻に閉じ込められた、 誰かの残したモノ。 球体の自転に置いて行かれた、 那由他に潜む御伽噺。 からからと鳴る骸を創り出す、 あなたの後ろの現世の光に、 吸い込まれ、 手も足も動かず、 助けを求めていた。 遠く響いた彼方の産声、 夢に見られていた。