: 1520
: 63
地平線の遥か彼方、 鳥が逡巡する。 夜明けの風は悍ましく、 憂いに先立つ。 静閑と見つめるあなたは、 何を思うの? 何を探すの? 寒空の意思と知らず儘、 誰が為に花は開くのでしょう。 寂寥の囚われ人が、 北風に嗚咽する。 取り繕いの暗がりが、 無常を隔てる。 静閑と俯くあなたは、 何に戸惑う? 何を躊躇う? 寒空の意思と知らず儘、 誰が為に花は枯れるのでしょう。 残り香を描く潮時は、 惨憺たる謂れだと云う。 独りよがりの耳鳴りに、 頭を抱えるが儘。 残り香を描く潮時は、 惨憺たる謂れだと云う。 独りよがりの耳鳴りに、 頭を抱えるが儘。