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空いた穴だけが脳裏に刻まれ、 当然の問いは仄かに路頭まで。 空いた穴見て、 俯いて、 呆然とする。 この黒い水は硬くて凄惨で、 腕を振りかざし撥ね藻掻く、 振り子が描き出す手向け歌。 短慮な枯れ葉は朽ちてゆくのでした。 離開する音垂らして、 無い藁を探る、 特定不能の領域には、 過度に冷たい毒があるのです。 見たいモノだけを求め、 先の見えない闇夜に縋る、 見つけた時にはすでに遅し、 死に至るでしょう。 全て画質の所為です。 穴に成れ果てた 平坦な面影、 人形と化し 循環に飲み込まれ、 空いた穴から、 突き出して、 絶命させる。 この世界には絵空事しかないのです。 高い圧力の下叫ぶ、 觳觫たる鳥の手向け歌。 侵入経路は 四肢を殺し 乞うのでした。 ただしなやかに流離えて行く、 誰も答え方わからずに、 特異な心髄を避けるようにと、 喉から杭が 打ち込まれました。 離開する音垂らして、 無い応答(つたえ)を。 特定不能の領域には、 過度に冷たい毒があるのです。 見たいモノだけを求め、 先の見えない闇夜に縋る、 沢山の脚の音が、 覆いかぶさるのか。