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秒針が刻まれた指先で、 真澄鏡を手繰り寄せ、 倨傲を引き付けた重力が、 冀う愚者を嘲るのです。 微睡みの中で火を付けた、 唾棄することすらも憚られる、 追い立てた筈の真澄鏡が、 わたしの鏤骨を食む。 礼賛者が、 波に呑まれて、 行き場を失い、 酔い癡れる。 絶無に覗き込まれて、 見目形が鏤刻され弛む。 剥落した喩えが表す、 其れが連なり、讒言にあう。 噛み合わず断ち切られた、 夢の中は酷く軽薄で、 命が身罷る音を立てる、 きっと誰かの所為で。 暗がりの中で弧に消えた、 頓に潤けた位置で円描く。 指先に宿るアポトーシス、 故に遺れ餓死する。 蔑んだ末、 協和を隔て、 色即是空に目を附ける。 瑕疵を衒うエントロピー、 脳髄は盈虚を砕く。 産み落とされた弐つの蔭、 拍動を止めて、 彷徨い続けた。 絶無に覗き込まれて、 見目形が鏤刻され弛む。 剥落した喩えが表す、 其れが連なり、讒言にあう。 噛み合わず形骸化した、 夢の中は酷く軽薄で、 命が身罷る音を立てた、 きっと誰かの所為で。