|
6187055 |
世界凍った。
未曾有の寒さの
その下で
道路も空も
青く白く
凍った。
あまり静かで
思わず息を
吸い込んだ人は
冷えた夜が肺に
砕けて散った。
二人はそんな外の
景色を見て怖くなって、
白くて浅い、
呼吸をするのだ。
ひぽ、ひぽ、せー、ぜ。
コンポタつくる。
窓の隙間を寒が抜けて
思い出も夢も
そのうちすっかり凍るのに。
ぐるぐる夜に、
二人の口ずさむ歌も
掴まれ消えたので。
今日もふたりは
こたつでみかんを 食べながら
次の季節が
来ないと知って 泣いているんだよ
冷気の蔓延で
細胞単位の 終わりを迎えて
星が落ちる 現象だよ
クーネル・エンゲイザー
ご飯を食べる。
かなしいけれどもおいしいよ。
それから眠る
の繰り返し。
外を見ながら、
やっぱり世界が
眠らなかったら、
すきって言ってあげてもいいよ。
今日もふたりは
こたつでみかんを 食べながら
過ぎた季節の
思い出ばっかり 懐かしむんだよ
絶対的な
生物学的な 終わりを前に
かたくなに 手を繋ぐ
クーネル・エンゲイザー
そんなくらしがある時急にかなしくなり
二階の窓を開けたが最後
ぼくは 冷たい 空気を まともに 吸い込んで
右の手と 肺と 心が 凍って しまったの。
夜は箱庭
歌の分子さえも
3メートルで凍り付く
今日もふたりは(ねえね、寒いよ。)
こたつでみかんを 食べながら(だけどあなたには言えないよ。)
次の季節は(ぼくの右手は)
何をしようか 夢に見るんだよ(青く凍ってひびも入ってしまった)
そうして食べて(冷たい)
寝て窓の外を 君と見ながら(こころは冷たい脈を打ち)
しもやけの 手をこする(しもやけの手をこする)
クーネル・エンゲイザー(クーネル・エンゲイザー)
ざあんへにそ
やがてけびうすぇ凍えてきたよ
ぼあいぽいらさ(ごめんね、ぼくは。)
ちがうよきっと。(おむはかばるず)
ふたりは一緒に。
もう眠るべき。
ぜすゆげこぎやがどふそきえしぇ
ぎじかずそぶりせくさ
クーネル・エンゲイザー
電気止まっちゃった… |