金魚光線
とべない深海魚 | ||
490459 | がらんどうな渾天に 生まれ落ちていました あからさまな青空が エラに詰まりました。 翼があるならば飛べるさと 期待した瞳が笑う ガラクタの羽は羽ばたけずに にじむ海原へと溶けてゆく ほら 冷たい青空が すさんだ視線にからまりおぼれてく まだ だれにも見つからぬ あたたかい海の底 また 息苦しい あの正しい部屋の夢をみて 目が回る いま 暗く優しい海の底へ沈んだまま ひどく悲しい晴天に 連れ去られていました 寒い空気が内臓を 引き抜いてきました 翼があるけれど飛べないと 叫ぶ口を青がふさぐ 聞こえない声と見えぬ視線 怒鳴らないで 嘲笑わないで ほら 冷たい青空が すさんだ視線にからまりおぼれてく まだ だれにも見つからぬ あたたかい海の底 また 息苦しい あの正しい部屋の夢をみて 目が回る いま 暗く優しい海の底へ沈んだまま ほら 冷たい青空が すさんだ視線にからまりおぼれてく まだ だれにも見つからぬ あたたかい海の底 また 息苦しい あの正しい部屋の夢をみて 目が回る いま 暗く優しい海の底へ沈んだまま |