松﨑国生

雨についてはあまり考えたくないんだ	344
	8587	さんざん止まぬこの雨は頬を伝いて地に落ちてたらたら降っては河となり海へと過去を隠すのだふと足を見ればシオが満ち振り向けば足跡膝の跡涙に浮かぶこの身からは甘辛い出汁がとれるでしょう風にたなびく背骨が月にぐるりと巻き付いた逆さまバケツに滴るは痒い痒い昔のお話さ嗚呼日陰に寝そべるは寒い寒い昔のお話さ逆さまバケツに滴るは痒い痒い昔のお話さ嗚呼日陰に寝そべるは寒い寒い昔のお話さ

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