|
|
聞こえる?
虧月は沈んで、
鳰照った影さえも。
ああ、
澱んで、
爛れて、
廃れて、
地に堕ち、
這って蹲うまで、
息絶えぬ。
他意は在らずとも。
白く惨めなガラスは溶けて、
黒に呑まれていく。
キミは厭い、輝いて、
何時か忘れて仕舞うのでしょう?
次第にボクは自己がのさばり、
絡まって解けて吐露していく。
蕭颯たる可惜夜ならば、
消してしまえばいいのに。
賽に意味などなくて、
解はただ揺曳して、
塑像は聞こえない言えない
漠として無常
(彷徨うから)
アポリアを秘密裏に抱えた儘
束ねて。
霙れる季節は沈んで、
かいろぐ夜風さえも。
ああ、
澱んで、
爛れて、
廃れて、
地に堕ち、
這って蹲うまで。
ささほうさ。
また憚るなら、
燃やし壊してしまえばいいと。
放った言の葉はとうに枯れ、消えた。
滲んだ烏は鳴いて、
灰と化していく。
ボクは厭い、のたうって、
何も信じられくなった。
次第にキミは膨れ広がり、
絡まっているなら離れた儘でいい。
だから、だから
ああ、
紡いだ取り留めのない朝焼け、
根付いている、
暗く暗く暗く暗く滲む、
サイコロ遊びの、
まだまだずっと遠い場所。
そこには
ありもしない澪標が
捧げられて掲げられて
いるだろうか。
霞む記憶 露を成し、
生死流転の輪廻から放たれて!
見逸れる、
盈月は浮かんで、
光差し込まずとも、
ああ、
澱まず、
爛れず、
廃れず、
地に堕ち、
這って蹲わずに!
峻厳として僻んでいても、
矛盾に頭を抱えるのみ。
「彷徨い、迷っても、
それでいい、だから。」
泣き喚き、慈愛を請う。
盈ち虧けは止まり、
流るる分子の雨。
ああ、
沈んで、
溢れて、
滑り落ちた先は、
澆季ではないと。
恢恢とした彼岸花は
燻った怡悦に咲くのだろう。
全ては宵闇の所為でいい。
だから…
他意は在らずとも…
他意は在らずとも… |