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不意に
黒く流れた逆さ言葉
今は思い出せないな
割れて冷えてる
二次電池は
まだここにある
いつも見えている
あの時計
今日は午後四時の
ままで
いつも飛んでいる
鳥たちも
今日はおとなしい
ままで
僕は恐くなって
すぐに家に帰ったら
どこまでも廊下が続いてて
僕はこわれて
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今は思い出せるよね
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もうここに
なかった
わたしのなかには
みぎになかみが
つまってるの
きみにそれは
おしえないよ
なぜか、しらないよ
昨日そこにいた
あの人は
今は
もう戻れない場所へ
見えないものを
欲しがった人も
今日は
いなくなってて
そこに視えるものも
本物かわからないけど
気が付くと黒い水が迫ってて
そこにカラダが
のまれ
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今も思い出せるよね
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##
##
##
##
きみにそれを
おしえることも
いまは、できないよ
黒く流れた逆さ言葉
今は思い出せるよね
割れて冷えてる
二次電池はもうここになかった
私の中には
右に中身が詰まってるの
君にそれは教えないよ
なぜか、しらないよ
君にこれが聴こえなくても、
今は怖がらなくていいよ。
私とあなたは、同じようには――― |