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一縷⍰

終わりの雨の歌 126
一縷⍰ 1794 散歩に行こうと外に出た 雨が降っており傘を差したら 傘が音を立て溶けました。 それがなんだか怖くなり、 逃げようとしたのに足動かず、 見れば溶け固まっていた。 溶けた皮膚が地面を流れる 降り止まない雨が体を蝕む。 手から転がり落ち溶けてく傘 逃げられないまま全て混ざる。
溶け消えたとも知らず 102
一縷⍰ 1635 長い雨が続く 宵の闇まで包み込んだまま 君の足音が消えた今でも まだ探し続けるのです。
最果ての記憶唄に包まれ 86
一縷⍰ 1348 雨上がりに浮かぶ ひっそりと息をする街に響く声 何も分からぬまま歩み続け 覆い込まれました。 さんざめく声に意識を取られ 疑うこともせず、 振り返り手を伸ばした先の 光が無くなりました。 鯨の唄声が 脳を揺さぶり深く落とされて、 あの日消えた君の溶けた目と 交わり消えゆくのです。
煌の静寂 109
一縷⍰ 1019 意識が戻ったと思えば 知らぬ通りを歩いてました 標識の文字は解けぬほどに絡み 「読む」という行為を脳が拒みました。 何となくで歩いていると、 自分の置かれている状況に 急に気がついて震えました 嗚呼 貅カ縺代※豸医∴縺溽ュ 脳に鳴り響く踏切の声で 一歩も動けなくなりました。 真上にある太陽の、 光で視界が潰された刹那、 身体も街も 凍りました。
人花逍遥譚
一縷⍰ 毎日通る散策路に 昨日まで無かった筈の道があり、 猫をも殺す好奇心が つい顔をのぞかせました。 しばらく歩み進めてみると 冷たい地面を押し退けて 無表情に咲くそれと目が合いました。 何とも不気味で仕方なく、 根ごと抜こうと腕を伸ばしたら 生えた手に掴まれました。 其処に咲いているものを 摘み取ることはできないのです。 指先まで十分に血が巡らず、 同じ温度になりました。 其処に咲いているものを 摘み取ることはできないのです。 指先まで十分に血が巡らず、 同じ温度になりました。

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2024-12-18(ver.1470)

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