シジョウハムロ
シーツのお化けがないている | ||
怖い夢を見たので 嫌な事から逃げ出しました 酷く 強く 耳鳴りがして ギュッと目をつむりました 顔を洗おうとして 足音がやけに響いてました 鏡が私を見つめ返す あの夢と同じでした 丑三つ時の曇り空は 私と同じような墨色で 何か変なような気がしても 何が間違いか分からぬのです 生温かな風が吹き抜けて はためくシーツのお化けたち 何処かで梟が鳴いたようで 走ったら転びました 温い空気に体が震え 冷たい光に射貫かれて 変わらぬはずだった私を見つめて 黒く染まったお化けは泣いたのです 怖い夢を見たので 一人の夜が怖くなりました あなたに縋ろうとして 最初から孤独でした 怖い夢を見たので なにも無いけど逃げ出しました いたい事など無いはずなのに ギュッと目をつむりました お面を外し奪われたような 焦燥がゴミ箱で焦げている 例えあなたが覚えていても 私は忘れていないのです 生温かな風が吹き抜けて はためくシーツのお化けたち 何処かで梟がないたようで 走ったら転びました 温い空気に体が震え 冷たい光に射貫かれて 変わらぬはずだった私を見つめて 白に戻れぬケモノはないたのです |