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3419 | 昨日の昼間の話です 浜辺に廃墟を見つけまして 見えない視線が怖くなって そこを立ち去りました 脚がもつれ砂に伏すと 傍らにソレを見つけたので 触れようとすると目が眩んで 気が付けば そこにいた/ここにいた 鈍く芳る キンモクセイの甘さに まやかされ/惑わされ その心地に溺れるまま 脚を踏み入れました 嗚呼、 そこは脆く狭い中に 光が射しこんでた なかには何も無く ただ虚無だけがあった ここは夢の最果て 理想郷の成れの果て 息が苦しかった どこか懐かしかった 昨日の話がふと浮かび 心になぜか焦りを覚え 無言の声に惹かれるように そこへ向かうのでした 虚ろなまま その気高な佇まいに 呼ばれて/誘われ 何の疑いも持たぬまま 中へ入るのでした 嗚呼、 そこは温くゆかしい中 強張りを覚えて 鈍く光るソレが なぜかそこにあった 震える手で触れると 憧憬が目蓋に映り 唆されるように それを持ち出しました 嗚呼、 脚を踏み出すたび 舌の苦みは強くなり 不意に後を振り返ると ■■■てました |