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穴の開いた両足が、 独りでに歩き続けていた。 そこには何もあらず、 力なく消えた。 穴の開いた二つの枝、 意味もなく視界を遮った。 そこでは何も見えず、 息は絶えていた。 腐り、濁り、眩んで落ちて、 心がすり減り壊れてく。 いずれ忘れられていくなら それは儚いことで、 酷く歪みきったこの世界で、 歪まずにいられるのか、 そんなことできるはずもなく苦しむ、 未来など見えなくて、 行方知れず彷徨い続けても、 出口などは見当たらず、 歯車の中でただ、息絶えていく。 そんな言葉も、 届くことなく消えていく。 穴の開いた記憶が、 ありもしない過去を刻んでた。 それに気づくことなく、 何も見えずいる。 穴の開いた二つの葉が、 意味もなく未来を隠してた。 それに気づくことなく、 息は絶えていた。 濁り、腐り、眩んで落ちて、 体がすり減り壊れてく。 いずれ霞み消えていくなら、 それは切ないことで、 甘い言葉に騙されても、 それに気づくことなく、 心臓の位置をよけるように、 毒を打ち込んだのか。 酷く歪みきったこの世界で、 歪まずにいられるのか、 そんなことできるはずもなく苦しむ、 未来など見えなくて、 行方知れず彷徨い続けても、 出口などは見当たらず、 腐り堕ちた世界の中ただ一人 泣き叫び続けていた。