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携帯ゲーム片手に、 路地裏を覗き込む、 知らない声に引き寄せられ、 恐る恐る近づいたら、 そこには何も無かったので、 動けなくなりました。 掌で抑え込んで、 隠し通そうとしても、 重力に抗える筈無く、 止まる事は無いのです。 掛けた言葉の、 意味も分からず、 電極を挿し込まれ、 逃れようと足掻けど既に、 全てが遅すぎました。 空っぽの瓶の中は、 光で満たされていて、 どうにか外へ出そうとして、 指先に力を込めたら、 砕けて辺りに散らばって、 地面を血に染めました。 不安をかき消す為に、 刃物を取り出しても、 欲望は過ちを指し示し、 自らへと向かうのです。 重なる声の、 意図も分からず、 電極を挿し込まれ、 逃れようと足掻けど既に、 全てが遅すぎました。 重なる声の、 意図も分からず、 電極を挿し込まれ、 逃れる意味も無くしました。 全て■■■■の所為です。 狂気の掌の上で 踊らされていたのか。