フタの外れたボトルが、 あなたに笑いかけて、 干からびた眼差しを、 拾い上げてくれた。 わたしは昔から知っていた、 それは此の世に存在せず、 御伽噺に閉じ込められ、 靄の中で風化する。 無造作に組み込まれて、 生命が宿される。 そうして数を増やすの? 土へと還さなければ。 矛先を変えた牙が、 此方へ向かってくる、 磨かれしナイフには、 毒が仕込まれていた。 幾つもの過去を重ね続け、 ようやく今が完成した、 昔話にとどまらずに、 真似の真似へ収束する。 無造作に組み込まれて、 生命が宿される。 そうして数を増やすの? 全て真似事の所為です。 無造作に組み込まれて、 生命が宿される。 そうして数を増やすの? 土へと還さなければ 無造作に組み込まれて、 生命が宿される。 そうして数を増やすの? 全て███の所為です。 窓の向こう側から 目を向けられていたのか。