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広い広い闇の中でも、 響く音は絶えず聞こえる。 流れる涙と雨粒が、 零れて落ちました。 橋を渡った先の、 小さな光を求め、 歩く旅人は何時しか、 忘れられていた。 長い長い時の流れと、 靡く旗がこちら見つめる。 噂話の後書きには、 恐怖が記されていた。 意味のない事柄に、 気づけないままのあなた。 夢を見ている世界ごと、 飲み込んで仕舞った。 何時も何時も変わる事ない、 景色はもう儚く消えた。 思い出も蝕んで逝くの? あなたはそう言った。 出会い、別れ、/全て、全て、 共にした日々。/美しかった。 全て消えてもう戻らない。/未来過去も霞んで見えぬ。 目の前包んだ琥珀色。/自我を抜き取られ死に急ぎ、 全てが無くなった。/全てが遅かった。 色も、音も、/思い出した、 花の様に散る。/過去の記憶は、 この言葉ももう届かない。/上書きされ忘れ去られる。 全てを悟ったその時に、/全てを諦め跪き、 光が差し込んだ。/光が差し込んだ。