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雲霞と姿隠す、 冒険者たちは、 身の程知らずの烙印を、 押し付けられてしまい、 叶わぬ時の神頼みをした、 禄盗人となるの。 罅割れた心の奥底、 強がって笑っては壊れてく、 夢から覚めた晩の事、 忘れられないんだよ。 糾える縄の如く、 這い寄る禍福は、 無い物強請りの妖怪に、 憑かれてしまい、 まだ無卦の刻が続くばかりで、 霧が立ち込めていた。 罅割れた心の奥底、 痛がってしまえば楽なのに、 月が輝く十五夜の、 時は流れゆくのです。 新しき解剖の、 亡骸を見た。 まだ理想も希望も、 儚く叶わずに、 何を語る? 罅割れた心の奥底、 痛がってしまえば楽なのに、 月が輝く十五夜の、 時は流れゆくのです。 抉られた頬の傷が、 酷く痛んだ。