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何も無い筈の部屋に、 枯葉がひらり落ちて、 水晶の破片が示す、 綴った手紙が届かなくて、 氷の掠れる音は、 何も映しませんが。 黒く残された遺言は、 戸惑い を穢す。 朽ちゆく羅針盤の針も、 いつか忘れるでしょう。 幻想の中の廃墟では、 失くした心は霧の中。 永遠に変わらぬ立方は、 誰かを映すだろうか。 消えかかった空虚感は、 溺死する運命で、 言葉足らずの橋の上、 綴った文字は白色で、 黄昏に奏でる音に、 意味はありませんが。 何も無い筈の部屋は、 奈落の底へと逝く。 腐る元凶の星も、 忘れてしまうのか? 火狩の無い路地裏は、 果て朽ちた釼が残す物翳。 死角に置かれた立方は、 全て形の所為です。 火狩の無い路地裏は、 果て朽ちた釼が残す物翳。 死角に置かれた立方は、 全て の所為です。 何も無い筈の部屋は、 ひらひらと消えてゆく。