: 4090
: 151
幾らか事象があり、 派生しこだまして往く。 醜く哀れに聳える 灰色の苗。 皆が其れを見上げて、 各々水を与えて、 成ったモノは酷く 傷付いていたのです。 光る水で育てた 事象の色は 先も根も黒くなった。 きっと誰かの所為で。 眼窩から零れた儘の 目は此方を向いて、 作り物の其の目は何を 訴えるのか。 彷徨い歩き続け 辿り着いた碧い場所には 黒い小さな芽が幾らか 鳴いていたのです。 仲間になろうとして 姿も変えたと言うのに 集まるのは甘い甘い 批判の雫。 嫌いだからという理由。 醜いという言い訳。 心底期待外れの 返答しか来ず。 閉めたドアの中から 声が聞こえて、 居場所など何処にも無い 全てあなたの所為です。 眼窩から零れた儘の 目は此方を向いて、 作り物の其の目は何を 訴えるのか。 鉄で作った腕もまた そっと此方を向いて、 錆に塗れた其の手は何を 指し示すのか。