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罅の境目を超え、不可視となった。 独眼の悍馬では、自ずと理解してしまった。 あの告げ口にも、意味があるなら。 驕り高ぶる過去が蠢くのです。 現世に、消えて行く、 金目銀目の僧。 荒れ果てた荒野に佇んで、 愚かな理想を掲げた。 見つからない儘の、嘗て存在した者達が。 姿を変え、言葉を掛けた。 意味のない音だけが轟いた。 私のことは、 仄かに光を灯せれば良いな。 摸倣を履き違えて、邪魔するばかり。 粗悪な猿真似らしく、朽ち果てることを思い描く。 草臥れた今日は、堕落を呼んで。 自我を保てず無意味に笑うのだろう。 自問自答、答えては、 名乗らずに消えゆく。 たちの悪い身代わりになれず、 そしてまたいつか傷つく。 跡白波だけは嫌だ、手を尽くした足りないよ。 禁忌に触れ、軈て嫌われ、 泡沫に憧れ、尚も増える、 想いを馳せる。 過去に利用しようとした愚かさは、 未だ恥ず事で。 嗚呼、意図して破綻をさせていたようだ。 私は世界を繋ぐ者。 白鳥が歌う時まで。 見つからない儘の、嘗て存在した者達が。 姿を変え、言葉を掛けた。 意味のない音だけが轟いた。 私のことは、 仄かに光を灯せれば良いな。 見つからない儘の、嘗て存在した彼らには。 愛が溢れているでしょう。 意味を持つ声を待つ彼らには、 敵わないから。 私は、そっと離れることにした。 望まれぬ私は消えた。