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忘れないでと願っても、
足らぬ努力に錆が出て、
知らぬ間に廃れゆき、
恥ずこともできぬでしょう。
何も成果を出せぬ儘、
憎まれ道を掻き消され、
紅葉が色褪せる頃には、
飲んだ涙を吐くでしょう。
惰気に生き、
論を失い、
有為無常に泣きました。
網から網へと伝わった、
波紋が辿り着いて、
不意に投げ返してみても、
取返しはつきません。
端から端へ行き渡った、
虚偽が判明して、
無意味を知った真正者は、
画をただ眺めるのです。
三三五五に散っていく、
誰もが知った印象も、
摩天楼がこちらを睨みつけて、
烙印を押して。
泣き言を言えど変わらぬ、
嫌味な槍が胸を刺し、
目処をつけられずに戯言を吐き、
遺詠も無益と云う。
死を恐れ、
世から離れて、
有為無常を拒みました。
網から網へと伝わった、
波紋が辿り着いて、
不意に投げ返してみても、
取返しはつかぬのです。
端から端へ行き渡った、
虚偽が判明して、
無意味を知った真正者は、
画をただ眺めるのです。
胸の張り方を、
忘れてしまいました、
全て過去の栄光です。
頭から足まで見ていた、
知ったはずの過去も、
中身が無い真実に、
流されていきました。
網から網へと伝わった、
波紋が辿り着いて、
不意に投げ返してみても、
取返しはつきません。
嘲笑われて、
壊れたかのように、
眠りについたのか。