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還りの道は、暗すぎて、 何も見えない通り道。 電話ボックスの裏側を、 観る戌達が吠えたのです。 穴を塞ぎ、 感情を抑え込み、 僕らの声は、 永久に届かないのです。 小さい窓から、 声をかけて、 ぬめりとした動き、 誰れも止めることなく。 手を動かしてはいけません。 枝のナイフが仕込まれて、 電子が差し込まれ、 手が腐る。 底なしの沼が、 流し込まれ、 手足が動かなくなりました。 穴のあいたプラグ持ち、 頭蓋に響く。 出鱈目の情報が、 全身を感知する。 不可解な形が、 動いたのは、 手の平の骨が、 折れてしまったのです。 足を動かしてはいけません。 穴を塞ぎ、 感情を抑え込み、 僕らの声は、 永久に届かないのです。 小さい窓から、 声をかけて、 ぬめりとした動き、 誰れも止めることなく。 不可解な形が、 動いたのは、 手の平の骨が、 折れてしまったのです。 二度と動きはしないのです。