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葦は泣かず 旱は続く 不意に刺した白光に 日焼けた欅 縋り 足を掴み 両手を組み 空を仰いだ すると どこからともなく それはきた うみがやってきた うみがふってきた 数多の命を引き連れて うみがやってきた 葦は思う 旱は終わる 浴び慣れぬ屈折光 砕けたボトル 既に 蕩けた葦 手は孤立し 髄は薄まり そして ふと目を向けると それがいた それはわらっていた それはわらっていた 名前を呼ぶのも悍ましい それがやってきた ■がやってきた ■がふってきた ながされつぶされころされる ■がやってきた