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死にゆくあなたへ。 渡せずに嘆いた彼岸花を見ている、 人一人　去りし時は、 腕が揺れている。 問 求めれば、求めるほど 離れていく花瓶は、 ノイズ越し　掠れた声で次は、 何を見ているの？ 滲む世界よ、黄昏の日よ、 盲進するあなたは何所へ往く？ 脳の裏に、未だ残るは あなたの泣く声だけ。 でも歩むのだ、見つける日まで。 記憶一つ残らず去ろうとも。 待っててくれ。 ご返事には、およびません。 歪んでいる朧月に阿ています。 後処理は蒼く見えて、 殉死に夢見る。 答 欲しがれば、欲しがるほど 近づいてくる花は、 ノイズ越し　消えた声で今は、 夜を見上げてるよ。 淡い視界よ、手の傷跡よ、 妄信する私は其処へ往く。 篦の表に、未だ沈むは 私の泣き声だけ。 歩け無いのだ、見つける日まで。 喉仏の鋭角が傷つき。 教えてくれ。 ご返事をお待ちしております。 滲む世界よ、黄昏の日よ、 盲進するあなたは何所へ往く？ 脳の裏に、未だ残るは あなたの泣く声だけ。 許されぬのはもう知っている。 償うことも出来ないのですが、 「さよなら」だけ。 「さよなら」だけでも言わせてくれ。 廻り続く者より。